アストリアにFamily Marketという食料品店がある。そのロゴは緑、白、赤、オレンジという見覚えのある配色で、何かを強く思い出させるが、それが何かは分からなかった。恥ずかしいほどの調査の末、セブンイレブンと全く同じ配色であると結論づけた。フォントは日本のファミリーマートとは似ても似つかない。いずれにせよ、話が逸れた。
スタッフは日本人である。俺は日本語の練習のために通っている——買い物の語彙こそ、俺が必要としている語彙だ。
俺は納豆を恐れない外国人である。これは意図的に育ててきた性格特性である。
先週
納豆を求めてFamily Marketに入った。
"I will buy some natto, but want to eat something with it. What do Japanese usually eat with natto for breakfast?"
"Salmon!"
"Oh! Do you have salmon here?"
店員は冷凍庫まで案内し、中からオレンジ色の魚を取り出して手渡した。$12.99。礼を言い、ラベルは確認しなかった。
魚
鮭ではなかった。
Miyako 厳選素材 塩紅鱒。 骨なし。切り身。300g。JALUXの製品——日本航空系列の会社である。「厳選素材」ライン。アイスランド養殖。ベトナム加工。
国際経験豊富な魚である。俺より多くの国を経由しているかもしれない。鱒も鮭もサケ科——代用は弁護可能であった。
水気を取らなかった。油が跳ねた。油はね防止ネット、この目的のために購入したもの、は棚に眠っていた。裏返すと、表面には立派な焼き色がついていた。丼に移す頃には、身は「提案」程度の構造的一貫性しか保っていなかった。
焼き色は立派。構造的一貫性は「提案」程度。
納豆
同じ店員におすすめを聞いた。
"Which natto do you recommend?"
彼は黒いパッケージを指差した。雪誉。 北海道産大粒大豆。国産100%。
雪誉。「豆が大きい」が推薦理由。
"Why this one?"
"The bean is pretty big."
その率直さに好感を持った。
開封時、SNSで流行っている技を使った——発泡スチロールの角に箸を突き刺し、ビニールを引き抜く。外国人が「日本は2050年に生きている」と主張する際に挙げる、あのトリックである。宣伝通りに機能した。ただし、投稿はしなかった。
今日
米を買いにFamily Marketに戻った。今日は別の店員——見たことのない男性。
「いくらはありますか?」
「ないです。」
いくらはなかった。探索は続く。錦の玄米、電子レンジ用、とキリン午後の紅茶を購入。無糖に見えた。会計は女性。日本語で話した。
そこからブロードウェイを渡り、青果店へ。Noah's Prideのオーガニック卵。Family Marketの日本ブランド卵は1ダース$12以上——この用途には正当化しがたい。アボカドも一つ購入。
切ってみると、茶色い筋、柔らかすぎる果肉、旬を過ぎたものの色。
茶色い筋。柔らかすぎる果肉。青果店への信頼が揺らいだ瞬間。
このアボカドが常温で長時間保管されていたなら、同じ店の卵も疑わしい。角屋の胡麻油で卵を焼いた——白身は固まり、黄身はまだ液状。制御された閾値。
米はベチャベチャだった。90秒で完成した。
丼
米を土台に。魚は片側に。卵は隣に。納豆は残りの空間に。整えられた丼。
混ぜる前。午後の紅茶は無糖に見えた。
そして混ぜた。
納豆の粘りが半熟の黄身と融合した。米が両方を吸収した。鱒は崩壊した。箸を数回動かすうちに、具材の区別はつかなくなった——残ったのは食感のみ。その食感は粘液質 であった。
これを食べる人に相談した。明確な指示を受けた。カウンター越しに食材を手渡された。シンクの前に立ったまま、丼を食べ終えた。
ミルクティー
前日、チャイナタウンで香港式ミルクティーを飲んだ。砂糖なし。コンデンスミルクなし。ただの茶——濃く淹れられ、深い赤みがかった色、唇が引き締まるほど苦いが、罰のようではない。カフェイン入り、だが俺の体が許容する範囲内。理想形。
Family Marketに向かう前、グループチャットにメッセージを送っていた:
I'm looking for a pungently strong tea akin to something that I would get in Chinatown. Something that if I order with no sugar, it's going to be so powerful in tea flavor and bitterness that makes my lips pucker. Where can I find that? In Astoria, if anywhere
誰かが返信した:That wouldn't be tea then.
俺はコーヒーが飲めない。消化器系に影響が出る。午後の紅茶は妥協案のはずだった。
丼の半ばで、ラベルを再確認した。砂糖。人工甘味料。無糖だと思っていた製品は、二つの異なるメカニズムで甘くされていた。
友人には出せない丼。欲しかったミルクティーではないミルクティー。正しく与えられ、正しく従ったアドバイス。
こういう体験を記録するのはどういう人間か、考えた。そして書き始めた。